都立推薦入試について
推薦入試の全体の倍率は2.61倍で、これは普通科に推薦入試が導入されたH7年度以降最も低い倍率になりました。 男女別の普通科男子は2.60倍(前年度2.82倍)、女子は3.28倍(同3.47倍)、コース制2.06倍(2.15倍)、単位制普通科2.77倍(2.85倍)と普通科は軒並み倍率ダウンしたほか、総合学科1.97倍(2.22倍)、商業科1.67倍(1.73倍)、工業科1.68倍(1.79倍)など、総合学科や専門学科も多くの学科で前年度よりさらに下がりました。普通科女子と商業科では過去最も低い倍率になったほか、前年度に倍率ダウンした単位制普通科や商業科、工業科、総合学科もさらに下がり、揺り戻しはありませんでした。推薦入試で定員割れになった学校は8校にのぼり、推薦入試離れがますます進行していることが分かります。
都立一般入試について
①出願状況昨年度は、出願締め切り時で応募者が定員に達しなかった全日制の学校が大量に発生して話題になりましたが、今春はその数がさらに増えてしまいました。普通科(コース制、単位制含む)21校(前年度19校)、専門学科28校(同25校)、総合学科は4校(同3校)という状況です。商業科の定員割れは前年度の8校から5校に減少したものの、商業科全体の倍率は0.93倍で前年度同様1倍に届いていません。工業科は16校中12校が定員割れとなり前年度(6校)から倍増、倍率も0.95倍にとどまりました。
願書差し替え後でも、普通科14校(前年度13校)、専門学科26校(同19校)、総合学科2校(同1校)が定員割れのまま残りました。
最終応募倍率は、全日制全体では1.40倍で、今の入試制度になったH6年度以降で最も低い倍率になりました。
昼間定時制は前年度の1.56倍から1.14倍に大幅ダウン、チャレンジスクールも1.3倍台まで下がりました。どちらも最近の10年間で最も低い倍率です。
都立高入試は前年度に大幅に倍率ダウンしたことから、今年度はその揺り戻しが予想されましたが、私立全日制・通信制への流れには抗しきれず、一部の学科では反動が見られたものの、全体の倍率アップには至りませんでした。
②さらに進む二極化
全日制全体の合格率は74.3%(前年度72.6%)で、難易度はやや緩和されたということになりますが、男女別募集の普通科では偏差値45以上では70%を切っており、この層では相変わらず厳しい入試になっていることが分かります。一方偏差値35の学力層で、合格率が男女とも約10%上昇しました。従来から学力レベルによって二極化の入試状況になっていましたが、今年度はその傾向がより一層進み、専門学科の合格率を含めて考えると、都立高入試は学力レベルや学科によって二極化した入試状況が顕著になったというのが大きな特徴といえます。